「守破離」の実践

前回の記事では、自分自身の限られた時間の中で、最善の結果を出すための考動において、当社で重視しているのは「量×質」なのか、それとも「質×量」なのかについて書きました。今回は「守破離」について書きます。

『守破離(しゅ・は・り)』とは、武道や茶道、芸能等の「道」の分野における修行の過程や上達の段階を示す概念で、「守る」「破る」「離れる」の3つのフェーズを表しています。師の教えや型を忠実に守る「守」の段階から、その教えを発展させ、自分なりの工夫を加える「破」の段階を経て、最終的には型にとらわれず独自の新しいものを確立する「離」の段階に至るまでの一連の流れを指します。

これを仕事に置き換えると、まずは入社したばかりの新入社員時代は、先輩や上司のやり方を真似して、基本的な業務を習得する「守」の段階にあたります。これは何も新卒入社した時だけでなく、別部署へ異動したとか新しい会社へ転職した場合にも当てはまりますね。

ある程度の実績が出せるような中堅社員レベルとなると、業務の基本に自分なりの工夫を加え、効率を改善したり、独自のスタイルを試したりする「破」の段階です。そして、ベテラン社員ともなると、基本を踏まえつつ、より高度な独創性や新しい発想で業務を革新し、独自の道を切り拓く「離」の段階といった具合です。

こちらの記事でも書いていますが、当社の社名:ルートファクトリーは『道を創る』であり、道という言葉には、“目的地に向かう通路、その分野の専門、人が守るべき責務や教え”という意味があり、『お客様の明るい未来への道を創る』という姿勢だけでなく、『私たち自身の明るい未来への道を創る』ということも含まれています。

この守破離については、私たち自身の道を創っていくうえで非常に参考となる考え方であり、心がけたい先人からの教えです。この守破離を実践して、自分自身が高次の段階に移行できれば、お客様や周囲へもさらにお役に立てるようになり、もっと仕事のやりがいや自分の成長も実感できるようになると。このサイクルに入ると良いこと尽くめですね。

ここにも、それぞれのステージに応じて考えながら動くという点が必要ですし、それぞれのステージにおける「質×量」があるわけです。