【第1回】人財採用がうまくいかない原因/それ、ツチノコ探しになっていませんか?

「求人を出しているのに、応募が来ない…」
「応募はあっても、求める人財ではない…」

人財採用に悩む経営者や人事担当者から、こんなお声をよく聞きます。

うまくいかない理由はいくつかあるのですが、今回からのシリーズでは、その根本的な原因を深掘りしていきたいと思います。

まず最初に取り上げるのは、「採用したい人財の要件が、そもそも存在しない人財になってしまっているケース」です。

これを私たちは「ツチノコ探し」と呼んでいます。

ツチノコというのは、昔から「いる」と言われているのに、誰も実物を見たことがないという伝説上の生き物ですね。採用活動でも、これに似た状況が起きることがあります。

求人票を作る際に、現場の部門にヒアリングするといろいろな要件が出てきます。

「学歴は〇〇卒以上」
「あれと、これの経験はないと困る」
「ビジネスレベルの英語でタフな交渉がでたら助かるね」
「年齢は言えないのかもしれないけど、30代までの若い人じゃないと…」
「あ、他にも“あれ”を嫌がらない人ね」

それらをそのまま求人票に並べていった結果、「そんな人、世の中にどれだけいるの?」という人物要件になってしまい、「そりゃ、そんな人財が居たら最高だけど、そんな人はそもそも居ないよね~」という求人票が出来上がります。

求めたい内容はよくわかります。そういう人財が居てくれたら非常に助かります。

しかも、一つ一つの条件だけをみると、該当する人財は居たりします。ただ、その条件が2つ、3つと組み合わさってくると、該当する人財の数はどんどんと絞られ、減っていきます。

そして、求める条件が増えれば増えるほど、

自社の通勤圏内に何人いる?
通勤圏外から、転居してまで来てくれる人が何人いる?
そもそも世の中に存在する?

となっていくのです。これがツチノコ探しの正体です。

では、なぜこんなことが起きるのか?
こうなってしまう理由のひとつは、ズバリ求めすぎ!

「あったら理想」の歓迎要件と「今回のポジションに必要な最低限」の必須要件がごちゃ混ぜになっていることが多いのです。

たとえば、本当は採用時点では「まずは英文メールの読み書きレベルで対応できれば良い(入社後に勉強して)」が必須要件であるにもかかわらず、歓迎要件である「すでにビジネスレベルの英語でタフな交渉ができるレベル」が必須条件のような求人票になっていたりします。

これは、部門担当者が人事へ提出した採用依頼等の申請書の要件を、人事の採用担当者が整理せずにそのまま使ってしまっているとか、そもそも詳しくヒアリングしていない/できていない、というケースも多いです。

もうひとつは、「その条件に該当する人財が、(採用マーケットに)どれだけ存在するか」を確認しないまま、自社の視点だけで要件を固めてしまっていることです。

採用活動においては、マーケット(市場)の確認が非常に重要です。自社が求める要件を満たす人財が、世の中に、マーケットに、そして自社の採用可能エリアにどれくらい存在するのかを把握した上で、求める要件を何度も修正し続ける必要があります。

これを確認せずに進めてしまうと、どれだけお金と工数をかけて募集しても、母数となる人財そのものが居ないため、採用がうまくいかないという状況に陥ってしまいます。

「応募がない」とか「良い人財からの応募がない」には必ず原因があるので、一度自社の状況を確認しみてください。こちらの3C分析についての記事も参考に。

求めている人財は、ちゃんとこの世の中に存在していますか?
ツチノコを探している状態ではありませんか?

次回は、「対象となる人財は存在しているはずなのに、なぜか採用がうまくいかない」という、もう一つの良くあるケースについても掘り下げていきます。