自社の採用活動において、エージェントと呼ばれる人材紹介会社を利用する企業は多いので、エージェントに関するシリーズを連続で書いています。今回は、エージェントの種類と題して書いてみます。
まず、皆さんが利用する多くのケースでは、採用が決まると利用料金が発生する『成功報酬型』ではないでしょうか?
「4月1日付入社で本人も内定承諾してくれたので、採用決定!」となると、4月にエージェントから入社確認があり、エージェントフィーが請求されてくると。その金額の計算式は、『入社者の初年度理論年収×35%前後』が多いですね。入社となるまで利用料金は発生しないですし、もし仮に、その入社者が入社後一定期間内に自己都合退職となった場合はフィーの一部返金もあるときたもんだ。求人企業側としては、費用は入社とならなければ発生しないため、複数のエージェントに依頼できて利用しやすい料金体系だと言えます。
『固定報酬型』もあり、“リテーナー型”や“サーチ型”、“ヘッドハンティング型”とも呼ばれます。リテーナー型等は、人材紹介会社に依頼したら、自社の求める人財を契約した一定期間内に探し続けてくれるサービスで、人材紹介会社へ依頼した時点で“採用できたかどうかに関係なく”料金が発生します。
どういうことかというと、仮に「年収2000万円の事業部長クラスを採用したい」という案件があった場合、「〇ヶ月間探しましょう」のような探索期間があり、その案件を担当するエージェントやリサーチャーが、自社の案件にコミットしてくれる時間を購入するイメージです。
利用料金を契約時に一括で払う場合もあれば、『着手金、中間金、採用成功時』のように複数回に分割して払う場合もありますが、原則返金されないことがほとんどです(採用成功部分が一部返金されるケースもある)。採用できたかどうかに関係なく料金を支払わなければならないため、求人企業側からするとリスクが高いと感じるかもしれません。
また、固定報酬型は成功報酬型に比べて高額になりますので、ハイクラスのポジションで利用されることがほとんどであり、金額面やポジションの重要性、秘匿性等の観点からも、採用したいからと気軽に依頼できるものでもありませんので、限られた一部のポジションのみ利用するとか、1社に専属で依頼することが多いのではないでしょうか(成果報酬型のように、1つの案件を複数社へ依頼することは少ない)。
そして、こういった特性やお金の払い方の違い(人材紹介会社側にとってはお金のもらい方の違い)によって、人材会社を利用する際に出てくる影響が異なります。
人材紹介会社の立場からすると、成功報酬型の場合は“入社に至らない限りお金を払ってもらえない”ので、決まりやすい候補者と決まりやすい求人のマッチングに…という構図が生まれやすくなってしまいます。ちょっと表現は良くない言い方に変えると、必ずしも皆さんから依頼された求人を決めなくても、“他企業から依頼を受けた決めやすい求人を成約させることで売上に変えれば良い”ので、エージェントに依頼しても良い人財の推薦がないとか、依頼したエージェントから連絡が来なくなった、ということが起きやすいのです。
一方のリテーナー型の場合、“顧客企業が求めている人財を一定期間探す契約”としてお金をもらっていますので、ここに成功報酬型との違いが生まれます。
なお、当社が提供するRPO(採用代行)は、当社メンバーがクライアントの採用チームの一員となって(クライアント側の立ち位置に加わって)、クライアントが求める人財の獲得と定着を成功させるサービスを提供していますし、その活動に対する利用料金を頂戴しています。
当社の立ち位置はこんなイメージです。
今回の種類で言うところのリテーナー型と似ていますね。

