【第2回】人財採用がうまくいかない原因/求人票というラブレター、ちゃんと届いていますか?

「求人を出しているのに、応募が来ない…」
「応募はあっても、求める人財ではない…」

人財採用に悩む経営者や人事担当者から、こんなお声をよく聞きます。

前回は、採用したい人財の要件が「そもそも存在しない人財」になってしまっている、ツチノコ探し状態についてお伝えしました。

では今回は、「ツチノコ探しではないケース」、つまり求める要件を満たす人財は世の中にちゃんと存在しているはずなのに、なぜか採用がうまくいかない…というケースを掘り下げていきます。

この場合、一番最初に疑う原因はこれです!

「求人票というラブレターの届け方がズレている」

どんなに想いを込めたラブレターを書いても、相手に届かなければ読んですらもらえません。採用活動もまったく同じです。どれだけ魅力的な求人票を作っても、採用したい人財の目に届いていなければ、読んでもらえないので応募は来ません。そもそも自社が求人募集していることすら認知されていないのですから…。

採用がうまくいかない状況を整理すると、こんな構造になります。

ターゲット(採用したい人財)が世の中に存在している前提で、
・そのターゲットに自社の求人が届いていない(=そもそも知ってもらえていない)
・届いてはいるが、興味を持ってもらえない(=振り向いてもらえていない)
・興味は持ってもらえたが、最終的に選んでもらえない(=相思相愛になれていない)

この3つのどこかでズレているわけです。

今回はまず、「そもそも知ってもらえていない」という最初のズレポイントについて考えてみます。一つ目は、肉を買いたいのに魚屋に頼んでいる状態です。たとえばこんな状況を想像してみてください。

夕食のために、お肉を買いに行こうとしています。あなたはどこへ買いに行きますか?

多くの人が、肉屋さん、またはお肉を取り扱っているスーパーへ行くのではないでしょうか?牛肉を求めて魚屋へ行く人はほとんどいないはずです。

ところが、こんなケースのように、採用活動ではお肉を買うのに魚屋さんへ行くケースが起きています。

「地方の工場で採用するのに、大都市圏で働きたいホワイトカラー系の求職者を相手にしているサービスを利用しても…」
「契約社員の雇用形態で採用したいのに、正社員転職を得意領域とするエージェントに依頼しても…」

さらにもうひとつ、こんなケースもあります。

専門的な商品が欲しいのに、総花的な総合スーパーへ探しに行っている状態です。

たとえば、特定分野の技術や経験を持った人財を採用したいケース。そういった人財は、自分の専門性に合ったサービスや特化型のエージェントを使っていることも多いです。

たしかに、総合スーパーへ行けばいろんな種類のお肉が置いてあります。ただ、一般的に売れるボリュームゾーンの商品が大半で、ちょっと専門的な商品になると日常的には売れないので置いていません。

「いろんな分野の求人の『数』は多いけど、自分の専門分野の求人は少ないから、あの求人サイトは利用していない」
「この分野の話ができるレベルの担当者が居ないから、専門型ではないサービスは利用しない」

という求職者は珍しくありません。その分野の専門家はその分野の話ができる(わかってくれる相手がいる)場所に集まるというやつです。

そうなると、求人企業側としては、専門店にしか置いていない商品を、総合スーパーで探し続けているような状態です。同じお肉という分類ではあるんだけど、どれだけ熱心に売場を歩き回っても、その分野やレベルは置いていないのです。

「確かに有名なサービスですが、その条件(職種、雇用形態、年収帯等)の場合だと…」
「その地域では、この地場の会社のほうが有名で強いですよ」

貴社が採用したい人財は、本当にそこに居ますか?
その手段を利用して仕事を探しているのでしょうか?
肉を買いたいのに魚屋に頼んでいませんか?
それ、専門店に行ったほうが良いのでは?

こんなふうに、振り向いて欲しい相手にラブレターを届けるための手段という、『募集手段・方法』がズレている求人は意外にも多いのです。

まず、求めている人財は存在している。
では、その人財はどんな手段で仕事を探しているのか?

大事なのは、自社の採用ターゲットを明確にした上で、「採用したい人財は、どんな手段(サービス)を使って仕事を探しているか」というマーケティングの視点です。

これが、届け方のズレを解消する第一歩になります。採用ターゲットの明確化については、3C分析についての記事も参考にしてみてください。

次回は、「求人票は届いた。でも振り向いてもらえない」というケースで、「届け方は合っていたけれど、内容が響かなかった」の状況について掘り下げていきます。