エージェントの種類 その2

自社の採用活動において、エージェントと呼ばれる人材紹介会社を利用する企業は多いので、エージェントに関するシリーズを連続で書いています。今回は、エージェントの種類と題した第2弾です。前回は料金体系の違いについて書きましたが、今回は得意領域についてです。

代表的な領域だと、そのエージェントが得意とする業界や職種、世代や年収帯、地域といった区分で考えるとわかりやすいかと思われますが、もし皆さんが、「〇〇県にある自社工場で生産技術職の経験者を採用したい」となった場合は、どのような人材紹介会社に依頼されていますか?

大手の有名な会社へ依頼している?
いつもの慣れ親しんだ担当エージェントへ依頼している?

ここでさらに一歩踏み込んだ判断が必要で、自社の採用を成功させるには、今回の案件をその人材紹介会社や担当エージェントに依頼することがベストなのか?です。「大手で有名だし、取り扱う求人数や転職人材の数も多いから大丈夫だろう」は、今回の案件にもフィットしているのでしょうか?

ちなみに、職業紹介事業の許認可を取得している事業所は全国で37,365事業所(2025年9月1日現在)あるようですが、東京都・愛知県・大阪府の3都市だけで18,113事業所と約半数を占め、3都市の周辺都市を含めた巨大都市圏にほとんどの事業所が集中する傾向があります。そこに求人と転職者のマーケットが集中しているからですね。

となると、皆さんの「〇〇県」の求人には対応してもらえるのでしょうか?

また、これもあるある話ですが、巨大都市圏の中心部を希望する求職者のほうが圧倒的に多いことから、エージェントは巨大都市中心部の求人対応を優先することが多くなり、勤務地が中心部から離れていく求人ほど、希望する求職者も見つけにくくなる(=決まりにくい求人でもある)ので、後回しとなりやすいです。

さらに他の区分で考えても同じですが、その人材紹介会社では、今回採用したい職種や年収帯が“他社の人材紹介会社に比べて優位な領域”なのかどうか、です。「当社でも対応できますし、探します!」といった担当エージェントの人柄や意気込みの話ではなく、「優位であるかどうか」が重要です。

もし仮に、その人材紹介会社の得意領域が年収400万円〜600万円帯であり、今回のターゲットが800万円くらいの人財がターゲットであるような場合、依頼する時点で大きなズレが存在するわけです。

自社が希望する領域に対して他の人材紹介会社のほうが優位だったり、得意としているのであれば、別の人材紹介会社へ依頼するほうが良いのですが、なぜか担当エージェントへ確認しないし、新たな人材紹介会社を調べない、選択しない企業も多いのです。

いやいや、魚を食べたければ肉屋に行ってもダメでしょう…