採用してはいけない人をどう見極める?

自社が求める人財かどうか、採用したい人財かどうかをどうやって見極めたら良いか、という視点だけでなく、入社後にトラブルとなるような人を採用しないようにするには、どうしたら良い?入社後ミスマッチとなる採用を減らすには、どうしたら良い?という話も良く聞きます。

今回は、『採用してはいけない人』をどう見極めるのか、というテーマで書いてみます。

世の中には、これまで非常に多様な人を見てきたからか、痛い目を見てきたからなのか、「何やら嫌なニオイがする…」とか「ピンとくる!」という強者選考官も居ますが、その勘がタイミング良く発動しないこともありますし、多くはピンとこないものです。いや、むしろそんな勘に頼っていては…という話でもありますね。

そこで、前回の話でも最後にお話ししましたが、主観的な印象や情報だけで判断せずに、客観的なデータや情報も合わせて活用することで、少しでもミスマッチとなるリスクを排除することが可能です。

まず、面接の場は、入社後に実際に仕事する環境(場所や状況)とは異なることがほとんどでしょう。普段の仕事環境とは異なる面接の場で、さらには1時間くらいの面接を計2~3回行うという選考ステップの場合がほとんどではないでしょうか。そうなると、1~2回の面接時に会話しただけで、その応募者が自社とマッチする人財かどうかを判断するとなると、なかなかに難しいと言わざるを得ません。せめて、採用してはいけない人材かどうかは見極めておきたいものです。

「ん~、これまでに当社と同じような仕事を経験しているみたいだし、大丈夫そうかな」とか「真面目そうで、良い人物のようだし」といった、応募書類に書かれた内容や面接の場で感じた面接官の主観的印象で合否判定していることがほとんどです。

そうならざるを得ないことは確かなのですが、ここに注意が必要です。

応募者が提出した応募書類や面接の場の発言というのは、あくまで応募者が、応募者自身の立場から書いたり、話している内容です。何を当たり前のことを言っているんだ?という話ですが、では、その最終学歴、これまでの職歴の在籍期間、役職、業務内容とその実績、現職年収等の応募書類に書かれている内容や面接時に聞いた情報は真実なのでしょうか?

これが何を意味するかというと、企業側の立場では、応募者が書いてきた書類と面接等で発した情報だけを元に、採用して良いかどうかを判断している状態であって、応募者の視点から発せられたその情報が本当に正しい内容なのかの真偽までは確認できないし、わかっていない状態ということです。

では、履歴書や職務経歴書に書かれた情報の真偽が確認できるとしたらどうでしょうか?また、その応募者に対する現職や元の職場の上司・同僚からの評価が確認できるとしたらどうでしょうか?これらの客観的な情報があれば、応募者が発した情報の真偽もある程度は確認できそうなので、ちょっと、というか、かなり気になりませんか?

客観的な情報を利用するかどうかの是非もありますが、適正な方法で得るにはどうするか、どこの選考プロセスに組み込むか、どのように実施・利用するのか等も妙技(ノウハウ)となってきます。主観的な情報だけでなく、客観的な情報も合わせて用いることで、自社が求める人財かどうかだけでなく、採用してはいけない人を発見することもできるのです。

皆さんは、何を元に判断されていますでしょうか?