エージェントから紹介があった候補者なのか、自分で送ったスカウトメッセージに反応して応募してくれた候補者なのかの応募経路はいろいろありますが、応募があった次は、自社が求める人財かどうか、採用したい人財かどうかの選考が待っています。
以前に書いたように、選考プロセスにおいては、一方的に選考するだけでなく対話も大切なので、念のためこちらの記事もご一読ください。
さて、皆さんは自社が求める人財かどうか、採用したい人財かどうかをどうやって判断していますか?「まずは書類選考をして、次に筆記試験や適性検査を受けてもらう。そして複数回の面接を実施して(複数名の選考官で)判断している。」といったように、何段階かの選考ステップを設けていることが多いのではないでしょうか?
では、それぞれのステップで、何を見ていますか?
合否の判断軸や基準はどのような内容でしょうか?
さらに言えば、どのような人財を採用したいかについては、社内でも個々の立場では想いや基準が異なっていることのほうが多く、“何を見るか”と“合否の判断軸や基準”が異なっていることは多いものです。
パネル面接のように、Aさんはこの項目を担当し、Bさんはこっちの項目を担当する等の役割を分担しているケースもあるので、“何を見るか”と“合否の判断軸や基準”も選考に関わるメンバー間で分担され、同じとは限りませんが、可能な限り選考に関わるメンバー間で意思疎通を図るようにしておいた方が良いでしょう。
また、選ぶという行為は、どうしてもそれぞれ個々が持つ価値観や目線などの主観で判断することの方が多く、選考に関わるメンバー間で、“共通の基準ではない、自分だけの独自視点から出てくる意見の食い違い”が起きたりと、なかなか一致点が見いだせない場合も起こります。
そんな時、採用で一番用いるべき共通基準は、外部のコンサルが用意したような世間一般的に言われる採用基準等ではなく、自社の評価制度です。入社した従業員に、こんな人財になってもらいたいという想いや願いを明示していて、半期や年間の評価基準として活用している“あれ”です。
「今回面接した人は、評価制度の『A4』グレード相当が妥当じゃないか?今回採用したいのは『A3』だから、求める要件には届いていないよな~」等と、共通した基準を元に合否や提示する待遇を判断できます。何か用紙サイズみたいですが。
なのに、採用選考の際の基準にその評価制度の判定基準を用いていない会社って結構多いのです。採用する時の基準と、入社した後の基準が異なっているって、何か違和感ありません?
さらに補助ツールとして、適性検査のように統計データに基づいた客観的な評価データを用いたり、筆記試験のように結果を数値化できて、ある基準以上や以下によって合否を判断しやすい客観ツールも合わせて用いることで、「自社の評価制度で言うとこうじゃないか?」という判断の助けにもなりますし、個々でバラバラになりがちな主観的な判断やバイアスの排除にも役立ちます。人はどうしても主観で判断しがちなため、客観的な視点を用いて選考することはなかなかに難しい事でもありますので。
自社が求める人財かどうかをどう見極めるために、いくつかの選考ステップを設ける企業は多いですが、その中身をどう設計するかも重要なポイントだったりします。
