なぜ、当社はそんな方針や制度になっている?

以前のこちらの記事からの3部作で、当社が一番大切にしていることについて書きました。そもそもですが、なぜ当社は今のような方針や制度になっているのか?の起源というか経緯について、長々と思い出話を交えながら、いくつかの記事に分けて書いていこうと思います。

遡ること、時は西暦2000年前後。私が京都の大学に通っていた時代にタイムスリップします。

当時は第3次ITベンチャーブームの頃で、各大学や“大学コンソーシアム京都”といった大学連合等が起業家講座を設けたり、ベンチャー企業でインターンシップができる等のいろんなプログラムも活発でしたし、学生ベンチャーも数多く誕生していた時代です。かくいう私も、今で言う意識高い系というか調子に乗っていた頃でもあって、「将来、起業したいんです!」と、ベンチャー経営者を招いた講演会や交流会に参加しては、いろんな経営者からお話を聞かせてもらい、夢を膨らませていました。

ところが、いきなり学生起業するまでの勇気なんてものはなく、口では「やりたい!」とは言うものの、実際に次の行動にまでは移せなかったのです…。自分で事業を興す『起業』ではなく、すでに事業を行っている既存の会社へ入社しようと、就職活動して『企業』に就職するという、言っているコトとやっているコトが異なる考動を取ったのです…。

そして、新卒で人材派遣会社の営業職として就職することになる。

なぜ、人材ビジネスという領域を選んだかというと、当時はITバブルの崩壊によって、世間はリストラの嵐だし、新卒も就職氷河期の真っ只中。「何年、何十年にもわたって一生懸命働いたその先に待っていた未来は“リストラされる”って…。会社という存在や働くことって何なんだ?就職するってどういうことなんだ?」だったり、「リストラされない人財になるには?会社や世の中から求められる人財や、何があっても生きていける人財になるには?」なんて危機意識を持ったものです。

その時に答えは見つからず(学生の浅はかな考えや知識、経験ではそりゃそうだ)でしたが、一方で、結局モノやサービスを創り出すのは人であり、将来起業したいと思っているのであれば、企業経営に人は不可欠だなと。であれば、企業が人を採用する、雇用することを学んだり、多くの人は働くことについてどう考えているのかを学ぶには、人材ビジネスが良いとの考えに至ります。さらに、当時は不況真っただ中であり、企業がリストラ(固定的な人件費を削減したり、変動費化)する流れから人材派遣業界が急激に成長しており、今後広がる新たな雇用形態や働き方を知るのは、将来自分が経営する時にも役に立つかもと(相変わらず自意識だけは高め?)、人材派遣業界で営業することを選び、私の職業人生がスタートするわけです。

ところが、とぉ・こぉ・ろぉ・がぁ~…

新卒1社目で入社した人材派遣会社の社風と合わず、数か月で辞めてしまいます。『入社3年以内の離職率』に貢献するという何とも不名誉で痛い考動を取ってしまったのです。さらに、次に転職した会社は、これから人材ビジネスを立ち上げると聞いたベンチャー企業で、「よし!起業するには学べることがいっぱいありそうだ!」と、意気揚々と転職してみたものの、これまた独特の経営者というか雰囲気で、事業内容も実は出会い系サイトの運営が主だったという、入社した人が2週間も経たずにすぐ辞めてしまうような職場でした…。

「焦って転職しちゃったかな…。自分中心に物事を考えたり、自分にとって都合が良いように情報をとらえたりと、視野が狭く甘い考えで、世の中を知らない無謀なだけの若造だったな…。」と、自分の浅はかな考動を後悔していました。挫折経験というやつです。

ちなみに、これまでの私は、自分が好きなコトややりたいコトには全力投球するけど、イヤなコトややりたくないコトは後回しにしたり避けたり…といった、こちらの記事で書いた「当社でも求めていません」の人材にバッチリ当てはまっていました。自分の好きなコトだけやっていればよい学生という世界の中で、いつの間にか自分はデキるんだと勝手に思い込んでいましたし、背伸びして社会人の世界に紛れ込んでいました。学生にしてはちょっと意識が高そうなコトを言っているからか、その場にいた社会人から興味は持ってもらえるけれど、実は“何も結果は出せていない”というダメダメな客観的事実には気が付かず、ずっと勘違いしたままでしたし、調子に乗っていた自己中心野郎だったのです…。

うぅ~、あぁ~、今思い出すだけでも恥ずかしぃ~。でも、その勘違いが若者の特徴であり、溢れ出るエネルギーなんだと、超絶自分に都合良く前向きにとらえて、過去の笑い話として処理しておきましょう。

一方で、「このままの自分ではダメだ」と気付けたことは百万両の価値だったのです。「自分の考動を変えて、イチから出直そう。周囲から自分に求められているコト、任されたコトを優先的に。良い結果を出すためにやらなければいけないコトから逃げずに一つずつやっていこう!」と、取り組み姿勢を切り替えて前進し始めました。

この、“これまでの自分自身を見つめ直し、自己変容したこと”が功を奏して、好転する道を進み始めることになるのです。

さらには、こちらの記事で書いたように、『自分の利が先だとか、自分の好きなコトややりたいコトはやるけど…、といった人材は求めていない』といった今の考えにもつながっていくのですが、それはまだまだ未来の話なわけで。

続きは次の記事で!