4つのフェーズに分けた採用活動の3番目、「対話&選考」についてです。
応募があった次のステップの話で、先に「選考」についての話題から。

選考フローとしては、書類選考があり、面接に進むというフローが多いのではないでしょうか。企業によっては、途中で適性検査を実施する場合もあるでしょう。
昨今の人手不足からか、アルバイトやパートの採用においては履歴書等の応募書類を廃止する企業は多く、応募=即面接という場合もあるかもしれませんが、新卒採用の場合であればエントリーシートや履歴書で書類選考してから、面接のステップに進めるかどうかを判断する企業は多いのではないでしょうか。ただ、エントリーシートを廃止する企業も増えていますが。
キャリア採用の場合はというと、履歴書に加えて職務経歴書を用いて書類選考して、面接のステップに進めるかどうかを判断している企業が大半でしょう。研究職であれば研究内容がわかるプレゼン資料を添付してもらう場合や、クリエイティブ系の職種では、これまでの制作や開発実績がわかるポートフォリオを提出してもらう等、職種によっても提出してもらいたい書類は種々あるようです。
「この応募者は、どんな経験をしてきた人だ?期待したい役割を担える人か?」
自社の仲間にしたい人かどうかを、まずは書類で判断しようとしますが、書類だけではわからないことが多いのも事実。
例えば、以前の記事で事例として挙げた製造オペレーターの募集条件を工夫した話を用いて説明すると、今回の応募者の応募書類を読んでみると、『〇〇の製造経験がある』と大枠では書いていたとしても、『△業務と□業務の経験』との詳細までを書いてくるとは限らないのです。こちらとしては、まずは必須の経験として求めたい『〇〇の製造を行う中での、△業務と□業務の経験』がある人かどうかを見たい。でも、応募書類には書いていないことは多い。
ここで、採用担当者の対応が分かれます。
求人票に必須経験と書いている内容について、「書かれていないため、経験がない」として書類選考で不合格にする場合と、「書かれていないため、経験があるのか、ないのかを判断できない」として本人へ確認してから書類選考の合否を出す場合です。
もう一つは、『〇〇の製造経験』はあるようなので、細かな点は面接で確認するから書類選考を合格にする場合もあります。
「そんなことでいちいち不合格にしていたら、当社では採用なんてできませんよ。せっかくの応募者なので、箸にも棒にもじゃない限りは、まずは面接してから判断してください!」と、書類選考のハードルを低めに設定している場合があったりと。
『書面に書かれていない=やっているかどうかわからない』という事実は同じですが、その事実に対するアクションが、応募者との一番最初の接点である採用担当者によって異なるのです。
「求人票に必須経験と書いている内容について、書いてこない時点でNG」とする採用担当者や募集部門のマネージャーもいますが、応募する会社・求人ごとに応募書類を書き直すよりも、同じ応募書類を使いまわす人の方が圧倒的に多いです。そんな中で、自社がどういう人財を採用したいかによって、選考時の合否基準は変わります。
そして、この合否基準が、採用担当者と募集部門のマネージャーとの間で食い違っていないか?ある程度近しい目線になれているかどうかが重要です。両者間での目線合わせ、打ち合わせが不足していると…。
今回の記事では、ほんの一例として書類選考におけるシーンを事例に挙げましたが、これは何も書類選考に限った話ではなく、面接においても同じです。手間を省いて効率化できる部分と、手間を省いてはいけない部分があるとはいえ、普段から応募者数が多い場合や、採用以外の他業務も兼務している等で、採用担当者が抱える業務量が多くなればなるほど、一つ一つの業務、一人ひとりの応募者に時間を割けないし、手間をかけられず、“さばく”という状態にならざるを得ません。
そうなると、時間的にも今やれる範囲の、ノウハウ的にも知っている範囲の採用活動しかやれていない状況でもあるので、採用業務に手間をかけている、応募者と向き合っている企業に負けてしまうのです。
う~ん、採用戦線の厳しさが増す中では、何から、どうやったら良いんだと悩むことは増えますね。
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次回は「対話」の巻。ニャ~オ