採用のQCDはどうなっている?

今回は採用要件を定義する際の参考に、採用のQCDについて吟じます。
じゃなかった。書きます。

「良い人財を採用したい!」

これはどの企業も願うことで、QCDでいうところの「Quality(品質)」に該当する部分です。人柄だったり、学歴や保有資格、経験やスキルだったりと、何を持ってQとするかは色々な考え方がありますが、「そんなのどうでも良いよ~」とはならないでしょう。ある程度のQが満たされた人財でないと入社してから苦労することも多く、「今回の採用は失敗なんじゃないか?」なんて話になることも。

「可能な限り早く!」

これはQCDのうちの「Delivery(納期)」で、なぜCが先じゃないんだ?ですが、Dが先に出てくることが多い印象です。それは、「現場は大変な状況なんだよ!一刻も早く採用してくれ~」であり、特に、既存メンバーで業務分担してしのいでいるとか、残業して踏ん張っているとなると、猫の手も借りたい状態で「早く、早く」の気持ちが強く出てくるためです。

「費用は抑えて!」

最後は「Cost(費用)」で、人財を採用するための費用です。こう書くと、求人広告や人材紹介会社等に支払う費用だけをイメージする人も多いのですが、そうではありません。『今回採用したい人財の人件費+その人財の採用に使う費用』の合計が本来のCです。

今回採用したい人財の人件費(給与、福利費等)ですが、給与面は求職者側の希望条件としても非常に関心が高い代表的な項目でもありますし、今は少しでも他社に給与面で負けないようにと条件競争の過熱感もありますので、部門予算を管理する部門長や経営層の頭を悩ませる項目でもあります。

また、その人財の採用に使う費用についても、潤沢に使える企業ばかりではありません。採用にどれだけのお金を使うかは企業によりけりで、お金を「使わない」ではなく、「使えない」企業は人財獲得に苦戦されることが多い傾向です。

この採用におけるQCDをどうバランスさせるかですが、Qを求めすぎたり盛りだくさんだと「そんな人いないよ~」とか、「そんな人、うちには来てくれないよ~」となったり、残りのCとDにもそれぞれの事情があり、一筋縄ではいきません。

QとDは重視するが、Cはそこまで気にしない場合もあるでしょう。
QとCはこれ以上変更できないが、Dは待てるという場合もあるかもしれません。
皆さんが現在募集中のそのポジションは、QCDの何を重視されていますか?
また、QCDの優先順位はどの順番でしょうか?

ちなみに、企業にとって人を採用・雇用するということは「年間数百万円×雇用年数分」の高額商品を購入することでもあるのに、Cについては採用に使う費用のみを気にされている企業は多く、Dについてはそもそも認識されている企業がまだまだ少数派。

多くの採用担当者に質問しても、「え?募集開始から採用が決まるまでとか入社するまでの期間はどのくらいかって?調べたことないね。何となくだけど、〇ヶ月くらいかな。」という反応は多いです。

これ、Dが採用チームや採用担当者の人事評価項目に入っている企業もあり、その企業だと採用のPDCAを早く回そうとする傾向があり、Dを意識されていない企業と比べると、比較的短期間で求める人財の採用を成功されていますので、参考に。

それと…

早く人が欲しい現場サイドからしたら、「発注から納期までの期間」なわけで、「いつになったらうちには人が来るんだ?」と、納期が延びれば延びるほどマイナスな感情が湧いてきます。時には水面下で、時には真っ向から人事部門への不信感や風当たりが強くなるので、これまたご注意を。