人材会社から、候補者の推薦が減っている?

「人材会社から、候補者の紹介が少ないんだよね…」
「ご紹介できる該当者が居なくて…と言われて。他に良い人材会社知らない?」

採用に苦戦する企業から、こんなお声を聴くことが増えました。以前の記事で、「エージェントが積極的に探していない理由は別の記事で」と書いていましたので、今回はその件も含めてつぶやきます。

ここでいう人材会社とは、エージェントと呼ばれたりする人材紹介会社であったり、派遣社員を派遣してくれる派遣会社等のことを指します。

経験者を正社員で採用したい、新卒や第二新卒を紹介して欲しい、といった際には人材紹介会社へ依頼され、派遣社員が必要な時には派遣会社に依頼されていると思われますが、その人材会社から、「紹介(派遣)できる人財がいない」と返答されることが増えたと。

一方の人材会社側の知人の話では、企業側の求人条件に見合う人財はそもそも少ないことがあるし、以前にも増して転職希望者を確保すること自体が難しくなっていると。連絡しても音信不通なんて状況はザラで、人材会社自体が人財の確保に苦しんでいると。

まずは、人材会社側もそんな状況なので、候補人財を推薦できるケースが少なくなるのは当然です。さらに言えば、人材会社内で、皆さんから依頼された求人への対応が『後回し』になっている可能性もあります。

後回しとはどういうことか?
人材会社内で、『貴社の求人に見合った人財を探す優先順位を下げられている』ということです。

「なんじゃ、そりゃぁ~!人を探すのが人材会社の仕事だろうがぁ~!!」

この話をすると、企業側の採用担当者からはこんなふうに言われたこともあります。当然の反応だと思います。そこで、続けてこの説明をします。

人材会社とは、求人と求職者をマッチングさせることで売上となり、儲けている営利ビジネスです。人材紹介会社であれば、求人企業と転職希望者が入社に至った場合に売上となり、派遣会社であれば、派遣できている期間中が売上となります。

そして、貴社を担当する人材会社側の担当者には売上目標数字があり、その目標数字を達成するかしないかで自分の給与・賞与等の評価に影響しますので、『決まらない求人』の場合は後回しにされてしまいます。『決まりやすい、決まる可能性が高い求人』から前に進めて売上に変えているのです。

でも、人材会社の担当者から、そんなことは言ってくれません。いえ、言えないのです。

もし、仮に、万が一にも、「貴社の求人は決まらない求人なので、後回しにしています!」なんて本当のことを正直に伝えようもんなら、「はぁ~?何言うてんねん!?当社の求人が?なになに?決まらない求人だと?それをどうにかするのがお前の仕事じゃないのか?もう貴様のところには頼まん!」と烈火のお怒りで、お叱りを受けるだけです(もちろん、伝え方による)。

さすがに人材会社の担当も今回書いたような言い方はしないでしょうが、悲しいかな、これは現実のお話です。伝え方は人それぞれですが、少しでも決まる可能性がある求人にするために、一緒に考えながらアドバイスをくれる人材会社の担当者は多いので、間違っても、皆さんは以前に書いたこの記事のような対応はしないようにしてください。

あるエージェントは、

「私は正直に言うよ。この求人は決まりませんわと。それで怒る人事は多いし、求人内容は変えられないという人事も多い。『だったら、この求人は何をどうしたら良い?どうやったらうちの求人に取り組んでくれる?』となる人事もいる。時間と労力は限られているから、決まらんもんをやってもね。自社内(その人材会社内)でも決まらん求人にずっと労力割いている奴ほど成績は良くない。」

と、ハッキリしているが、実際に決めているエージェントからのコメントとなると、なるほどねと。

決まる求人というのは、“その企業が求めている人財”から見た時に、魅力がある求人かどうかなのですが、募集手段として人材会社へ依頼するのであれば、そこの担当者に「この求人は決められそうだ!決めたい!」と思ってもらえるかどうかも重要です。

ひょっとすると、貴社の求人は『決まらない求人』に位置付けられているのかもしれません。知らんけど。